直前で柱が二本になった日本(2014ブラジルW杯)
今大会を振り返ってみると、やはり大久保の代表入りがキーになっていたように思う。
代表入りを切望していた大久保は「俺が変えてやる」という気持ちが強かっただろう。
ただ、土壇場での選出により、短時間でそれを行うのは混乱のほうが大きかった。
もう少し時間があれば、話し合いを重ねて更に上のレベルに到達できたかも知れないが時間が短すぎた。
ザックはバランス重視の監督。
日本人の特性や個性を尊重し、選手や協会と話し合いを重ねた上で、本来自分がやりたいサッカーから、日本選手がやりたいサッカーに方向転換してきた。
そして、その4年間中心にいたのは本田であり、香川、長友、遠藤といった主力選手も同じ方向を見てやってきた。
後半選出されることが多くなった柿谷も本田から認められチームに溶け込んでいた。
ところが、大久保が入ってからは、柿谷は大久保にべったり、香川を筆頭にセレッソ組も大久保リスペクト。
たぶん、同じリーグでプレイしている代表経験が浅いJリーガー達も大久保寄り。
そしてザックも大久保を重用。
これによりチームが二分され、対立とまではいかなくても、どこか歯車が狂ってしまった。
結果として、中立でさばさばしている内田が一番まともだったというね…
キャプテン長谷部もヴォルフスブルク時代に大久保と一緒にプレイしていただけにチームをまとめるのに苦労したことだろう。
最終戦前に練習を急遽中止し休みにしたのも、コミュニケーションに費やす時間を増やし、チームをまとめるためだったと思われる。
4年間期待してきただけに非常に残念な大会だった。
個人的には「たられば」の話をして、悔しさを紛らわすしかない。
最終選考を分岐点として考える。
もし、本田のイエスマンばかり揃えて、ずっとやってきた「チーム本田」でぶれる事無く挑んでいたらどうなったろう。
もし、カズや中村俊輔を外した岡田監督のように、土壇場で本田を外し、憲剛を入れて「チーム大久保」で挑んでいたらどうなったろう。
もし、本田と大久保は同時起用せず、状況に応じて中立の選手をうまく混ぜながら「チーム本田」と「チーム大久保」の2プランを使い分けるようにうまくコントロールできていたらどうなったろう。
いずれの選択肢も中途半端に終わった今回より良かったような気がしてならない。
パスが多いとボール保持率が上がり主導権を握れる。
相手選手は多く走らせられ疲労する。
ただし、攻めが遅くなり、ゴールへの積極性が減る。
例えば、キーパーからのパス1本でFWが決めるなど、縦に速く少ないパス数でゴールできたら効率がいい。
ザンビア戦で大久保が叫んだ「無駄無駄無駄ァッー簡単にやれ!簡単に」はそういう事だろう。
このように緩急をつけないと、なかなか崩せない。
4年間の中でもう少し早く大久保を入れて、ポゼッションサッカーにプラスアルファさせる事ができていたら、結果は違ってたかも知れない。
大久保:「意識が中途半端だったと感じた」
日本代表は24日(現地時間)、ワールドカップ・グループC最終節のコロンビア戦に1-4で敗れ、決勝トーナメントに進めずに大会を去ることになった。FW大久保嘉人は大会を振り返り、チームの意識に中途半端な部分があったのではないかと語った。
「前回は勝ち上がりましたけど、守備的な戦いだったし、今回は自分たちで攻めていこうと。ただ、今回は中途半端だったなっていうのは、入ったときから思いましたね」
「みんながみんな納得してやっているわけじゃないように見えていたし。今日は開き直ってやってやろうという気持ちになったので、これをベースにやるべきだったかなって自分は思いますけど」
大会直前になってチームに加わったからこそ、客観的にチームが見えている部分もあったかもしれない。
「分からないですけど、距離の遠さ。行こうとしてもやめて、横パスになる場面がこのチームにはすごく多い。みんなが連動して、顔を出せばパスコースはできると思うし、そうするとドリブルも有効になるので」
「行っていいのか、行ったらダメなのか、迷っているのかなっていうのは結構ありますね。1カ月しかいなかったから、ほかの人がどう思っているか分からないけど、感じたのは『遠い』ということ。これでは崩れないなってすごく思いましたね」
【W杯】1トップ不発の大久保「自分たちの…って何?」
約2年3か月ぶり、直前に代表入りしたからこそ感じた問題を口にした。チームは攻撃的な「自分たちのサッカー」にこだわったが、劣勢に陥ると何もできなかった。「自分たちのサッカーは何なのか?と逆に知りたい。これというのがあるのか。外から見ていた時も思ったが、ポゼッションで勝ったのは4年間でも少なかった」。俊敏な日本人に合うオプションとして、ショートカウンターを磨く大切さも説いた。
原因は分かっている。選手同士の距離が遠く、パスコースが少ない。決定機につながる縦パスも少なかった。「勇気の部分。みんな若いですからね。でも、すごくもったいない」。大舞台で萎縮してしまった精神面への課題を説いた。
コートジボワール戦後、ザッケローニ監督と1対1で話し合った。「選手同士の距離をもっと近くした方がいい」。練習試合などで感じた思いをぶつけた。「選手は何だかすっきり臨めていなかった。監督のやり方が間違っているとは思わないが、考えを伝えたかった」。それでも悪い流れは断ち切れなかった。
ザックのコメントやコラム「ザッケローニ SAMURAI BLUE監督手記 イル ミオ ジャッポーネ“私の日本”vol.01「運命の国」」を見ると、日本そして日本人をすごく理解しようとしてくれてたし、長所を伸ばして特徴を生かそうとしてくれてたから、人間的にはとても好きだけど、日本人の深層心理まではコントロールできなかった。
この面では日本人監督のほうが有利だろね。
もし、外国人監督を選ぶなら、自分のスタイルを貫き、どんな良い選手でも反抗勢力は排除するくらいの厳しい監督のほうがいいのかも知れない。
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