愛猫「てるちょんこん」の思い出

ありきたりな表現だけど、心にぽっかり穴が開いてしまって、何も手につかず何をしたらいいのかわからない。
悲しい記事は極力書きたくないけど、リアル日記も書いてないし、記憶は風化するから、てるちょんこんとの生活を思い出しながら書いていこうと思う。
人も動物も同じで、忘れないで思い出してあげる事が一番の供養だと常々思っている。
ブログを見るたびに悲しくなるかも知れないが思い出してあげるきっかけになるだろう。

数ヶ月前、粗相が増えてきたので病院に連れていった。
血液検査するもいろんな数値が平常値を上回っていてどこもかしこも悪く原因は特定できず。
もっと検査して手術したり入院したりする選択肢もあるが、15歳以上ともう寿命を向かえてもおかしくない年齢を考えると、あとは楽に生涯を終えることができるように成り行きに任せたほうがいいとの事だった。

数週間前、夜鳴きがあまりにもひどいのでまた病院に連れていく。
今はアパート暮らしなので隣人のクレームも心配。
嫁がだいぶ寝不足で滅入った様子で説明をする。
甲状腺の病気でそうなる老猫が多く、間違いなくそれだろうという事。
検査結果が出たら薬を処方しますが今日は遅いので明日また来てくださいとの事で帰宅。
「今日も寝不足かー」なんて話しながら家に戻ると病院から電話。
慌てた様子で「甲状腺は正常でした。原因がわからない。もう精神的にも疲れて今日にでも夜鳴きを止めさせたいのならすぐに来てください」との事。
行くと睡眠薬を渡された。
「前にうちの患者さんでも同じような事があって、飼い主さんのほうが寝不足で体調を崩して入院してしまったケースがある」
「ペットも大事だが人間も大事だから睡眠薬を処方する」
「ただ睡眠薬は猫の体への負担が大きいのでどうしてもダメな時だけ飲ませてほしい」
「そこは飼い主さんに任せます」との事。
こんな事言われたら飲ませたくない。
でも嫁が寝不足で辛そうだったのでそれは口にしなかった。
嫁も同じように感じたのか飲ませる事はなかった。
あまりうるさいと「薬飲ませちゃうよー」と冗談ぽく優しく言い聞かせてた。
でも数日後の夜中、あまりに夜鳴きがひどく「ごめんね」と謝りながら睡眠薬を4つに割ってひと欠片を飲ませてた。
俺は何も言えなかった。
責める事なんてできるはすがない。
その後も数週間夜鳴き徘徊は続いたが、睡眠薬を飲ませたのはその一度だけ。

ある日からピタリと鳴く事が無くなった。
鳴いたとしても今までのような大きな声ではなく気にならない程度の小さな声になった。
そしてほとんど食べなくなる。
いつものように人の後ろをついてはくるがヨロヨロしてる。
夜中、トイレが間に合わず俺の布団の上でおしっこ、「トイレあっち!」とあわててペットシーツを敷きまくっている隣のトイレ部屋に移す。

次の日からはほぼ動けなくなった。
呼びかけにも反応なし。
腹を見ると呼吸で少し動いているのがわかる程度。
動けないので自力で飲み食いやトイレに行けなくなった。
もう長くないと覚悟する。
水だけでもとスポイトで与えようとするが口が開かない。
歯の隙間から流し込むと、ほとんど口は動いていないが弱々しく口をクチャクチャした。
少しは水分補給できたようだ。
丸い猫ベットに寝かせていたが夜中に目を覚ますとちゃーくんのケツで顔を潰されそうになっていて、呼吸を確保する為か首がベットの外にダラリとのけぞってしまっていた。
あまりに痛々しいその姿を見て、もう死んだかと思った。
息があったので俺と嫁の枕の間にベットごと移動。
たまに寝言のようにクーンと弱々しく鳴く。
そのたびに様子を見る。
ベットを移動した時に嫁は起きなかったが、見るとちょんこんの手を握ってた。
朝になっても掛けたタオルがそのままで全く動いていない。
寝返りをうたせ、またスポイトで水を与え「すぐ帰ってくるからね」と出勤。
昼に戻るとまた全く動いた形跡がない。
呼びかけにも反応なし。
さすって近くで声をかけたら少し反応した。
手足が冷たくなっている。
誰が見てももう長くないと思う状態。
また「すぐ帰ってくるね」と声をかけ仕事に戻る。
心配で心配で仕事も手に付かないため、いつもより1時間半早く17時であがらせてもらう。
もう見守る事しかできないのはわかってるけど、帰り道にあるホムセンで猫用のスープとミルクとシリンジを買って急いで帰宅。
呼びかけに反応なし
また首元をさすりながら顔を近づけ大きめの声で呼びかけると「フゥー」と二度鳴いた。
喉が渇ききって声にならないのだろう。
鳴いたというより息を漏らしたという感じ。
でも頑張って返事しようとしてるのはわかった。
ミルクを歯の隙間から入れてみる。
少し口を動かしたが、欲しいのか嫌がってるのかもわからない。
ミルクは粘度があるため負担が大きそうだとすぐやめる。
水分補給ならやはり水のほうがよさそうだと思い与えるもほぼそのまま口の逆側から漏れて摂取しようとしている感じはない。
その後も腹のわずかな動きで呼吸をしているのがやっと確認できるだけで、撫でても声をかけてもピクリとも反応しなくなった。
19時、嫁が帰宅。
帰宅直後以外は俺が撫でて呼びかけても無反応だったのに、嫁が撫でて声をかけたら「クーン」と5回ほどか細く返事した。
さっき水を与えて少し喉が潤ったからかそれなりの鳴き声が出た。
こんな状態でも嫁だと認識してる。
一生懸命絞り出した嫁に甘える声。
結果的にこれが最期の鳴き声となる。
それ以降はまた無反応に。
しばらく二人で様子を見て、そそくさと飯を食べてからまた見守っていた。
俺が少し目を離している時に嫁が「あれ呼吸してないかも」「ちょんこん」「ちょんこん」と体をさすりながら呼びかけている。
俺もすぐに確認し声をかけながら撫でた。
すると、手がピクピク痙攣し、ほぼ同時に寝起き後の伸びのように足をピーンと伸ばした。
あ、よかった動いてると思い、腹に目をやるが呼吸の動きは見られなかった。
一瞬、時が止まったように感じた。
そのまま二人で声をかけながら数分さすり続ける。

「ちょんこん」

「ちょんこん」

「ちょんこん」

もう動く事はなかった。

2018年12月6日、21時30分 永眠。

保護した時期の記憶が曖昧で確かな年齢はわからない。
他の記憶と照らし合わせるとおそらく17歳前後。
それほど苦しむ様子もなく、文字どおり眠るように息を引き取った。
体が冷えて硬くなるまで信じられなかった。
ただ寝ているだけですぐにも動き出しそうだった。
以前テレビでペットの遺体を剥製にするサービスを見た事がある。
その時は「そこまでするかー」なんて笑って見てたけど、今ならその気持ちがわかる。
お別れしたくない。
3匹ずっと一緒にそばにいたい。

俺と3匹の子猫 – 俺視点 – GOING MY WAY

ちびこと茶太郎(ちゃーくん)は身体的特徴ですぐ名前が決まったが残る1匹は悩んだ。
ダークグレーと白のツートンのこの子はグレーからGRAY→GRAYのTERU→てるちょんこんとなった。
テルはそういう意味だが、ちょんこんは何の意味だったのかは思い出せない。
略称は「ちょんこん」
もはやテルですらない。
君をつけると「てるちょんこんくん」
他には「てるのちょんこんくん」とか。
長い名前だがリズミカルで意外と呼びやすい名前だった。
3匹のうち、一番筋肉質で雄らしいスポーティな体格。
実際、一番運動神経がよかった。

誰よりもかまってちゃんのちょんこん
尿管結石になったり誰よりもストレスを感じやすいちょんこん
ねずみのおもちゃをずっと追いかけまわしていたちょんこん
猫じゃらしが大好きでめちゃくちゃ追いかけてジャンプしていたちょんこん
いつも帰ると玄関まで迎えにくるちょんこん
いつも人の足元ばかり歩いて邪魔なちょんこん
いつも台所で嫁の邪魔して怒られるちょんこん
いつも人のトイレを覗きにくるちょんこん
いつもちびこにしつこくして「シャーッ」と怒られていたちょんこん
いつもちゃーくんに後ろからマウントして首の皮を噛んでうざがられていたちょんこん
かっこつけて手をクロスさせてスフィンクスポーズするちょんこん
台所側の戸が開くとすぐ行こうとするちょんこん
夏はトイレで寝るちょんこん
なんとなくリーダー格だったちょんこん
甘栗やチーズや焼き海苔が好きだったちょんこん
俺より嫁派だったちょんこん
嫁のパンツが好きだったちょんこん
一番絡んでくる割に何をしてあげたら満足するのか最後までわかりにくかったちょんこん
晩年は兄妹よりも小さくなってしまって威厳がなくなったちょんこん
年老いてから人間の食べ物に興味津々になったちょんこん
最後の数ヶ月、行動がおかしくなってきたちょんこん
玄関ドア前や浴室内など怖がっていた場所に行くようになったちょんこん
毛繕いしなくなったちょんこん
粗相をするようになったちょんこん
夜鳴き徘徊をするようになったちょんこん
動かなくなってしまったちょんこん
数日後には灰になってしまうちょんこん

ちょんこん

tck.jpg

足元に絡み付いて鳴きながら見上げるまん丸おめめが今でも忘れられない。
帰宅してもお迎えがない。
歩いても足元を邪魔する存在がない。
トイレに行っても誰も覗きにこない。
あのうざさが今はたまらなくほしい。
最後の日、俺と嫁が二人揃うまで頑張って待ってたのかな。
寝たきり期間が短かったのは苦労をかけまいとちょんこんの優しさだったのかな。
理解はしていたから表面上は怒ったりはしなかったけど、寝不足で少しイラついて邪険に扱ってごめんなちょんこん。
もっともっともっと優しくかまってあげるべきだった。
普通だった日常の変化に心がまだ対応できないよ。

12月9日追記:
火葬の予約が10日まで取れなかったが、雪が降るくらい寒いし、そのまま亡くなった丸いベットにずっと寝かせてた。
2匹が窮屈に入れるくらいのサイズのベット(無理して3匹入ってる事もあったが)
昼、目が悪くてほとんど見えていないちゃーくんがやっとちょんこんの異変に気づいたようで、1時間くらい遺体の横に寄り添って、ちょんこんの顔と俺らの顔を交互に見て何かを悟ったようだった。
夜になり、ちびこも初めて横に寄り添う。
今まで遺体をチラチラ見たり、たまに匂いを嗅ぎにいくだけであまり近づかなかったのは認めたくなかったのかな。

12月10日追記:
3匹とも逝ったら一緒に墓にいれるつもり、それまでは骨壺に入れて持っておくと決めた。
火葬から帰ってきてトイレに入り便座に座る。
いつもならちょんこんが覗きにくる。
まるでそこにいるかのように撫でる仕草をして、「はよいけっ」と足先で見えないちょんこんのケツを小突きながら部屋に戻る。(いつも足元を歩いて踏みそうになるので、蹴るのではなくちょんと押す感じ)
パソコン前の定位置に座り画面を見ていると、目の前に並べてある10個くらいのVAPEのMODのうち、一つが何もしてないのに急に液晶が点く。
いるよアピールかな?嬉しかった。

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