悶々もんじゅ

もんじゅ?
原子力の施設だっけ?なんか昔事故があった?
それほど興味も無いし、俺の知識はこの程度のもんだった。
しかし、ちらっとニュースで見かけて、気になって調べてみたら大変な事になってる。
東日本大震災以降、原発への関心は高まっていて、海外でも大々的に反原発の流れになってるけど、日本では福島原発の報道はあっても、もんじゅの報道って少なくね?
なんでこういう大事な事をもっと報道しないんだろう。反原発を助長するからか?
そういえば、山本太郎が反原発運動をしたせいで、ドラマを降ろされて事務所を辞めた騒動もあったね。
ま、とりあえず原発の仕組みやら構造やら核分裂の内容とか、そんなのは見ても理解できないから、それ以外の事をわかりやすく箇条書きにしてみる。

■軽水炉と高速増殖炉
・日本の原子力発電所は大きく分けて軽水炉と高速増殖炉という種類がある。
・日本にある原子力発電所はほとんどが軽水炉であり、福島原発も軽水炉。
・高速増殖炉は日本では二つ、茨城県にある「常陽」と福井県にある「もんじゅ」
・高速増殖炉は軽水炉に比べ、メリットもリスクも大きい。

■高速増殖炉の状況
・海外の高速増殖炉は、リスクが高すぎるという理由で、ほとんどが撤退している。
・原発先進国と呼ばれるフランス、ドイツ、アメリカもすでに撤退している。
・日本の高速増殖炉「常陽」は事故により停止状態、「もんじゅ」も事故により半停止状態。
・日本は高速増殖炉から撤退せず、「もんじゅ」を復旧し、稼働させようとしている。

■高速増殖炉の危険性
・1グラムで数百万人を殺すことができると言われてるプルトニウムを増殖している。
・事故が起きた時の被害は、軽水炉の福島原発とは桁違い。
・ナトリウムを使うために、建物の構造が脆く、特に地震に非常に弱い。
・ちなみに「もんじゅ」の直下には活断層がある。

■「もんじゅ」に事故が起きた場合の被害予想
・半径300km圏内が壊滅的被害(即死または24時間以内に死亡)
・半径600km圏内が甚大被害(72時間以内の死亡率50%)
・福井県を中心とする半径600km圏内とは、東北から九州までほぼ日本全域。

■現在の「もんじゅ」
・原子炉に燃料交換装置が落下し、燃料棒の交換方法が絶たれ、運転も廃炉も出来ない状態。
・この落下物の引き上げに20回以上連続失敗中。
・核反応をなんとか制御し、現状維持するのが精一杯。
・発電は全くせず、年間500億円の維持費だけがかかっている。

■今後の「もんじゅ」
・20回以上連続失敗中の落下物の引き上げは非常に難しい。
・引き上げ作業中のミスにより、事故が起こる可能性がある。
・引き上げを諦めた場合、正常運転(発電)も廃炉にもできない。
・プルトニウムの反応が完全に終わるまで約50年間維持しなければならない。
・発電量は0のまま、500億円×50年間の維持費だけがかかる。
・もんじゅは活断層の真上にあるため、この50年の間に地震で事故が起こる可能性がある。
んで今日、その引き上げ作業がやっと成功したらしい。

もんじゅの落下装置回収=炉から引き抜く―原子力機構

 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月、燃料交換に使う「炉内中継装置」が回収できなくなったトラブルで、日本原子力研究開発機構は24日、装置を原子炉容器の上ぶたから引き抜く作業を同日午前4時55分に完了したと発表した。
 今後、中継装置の損傷状況や原子炉容器内に落下物がないかなどを調べた上で、今秋ごろまでの復旧を目指す。

成功したのは嬉しいんだけど、さらっと「復旧を目指す」って…。
これ以上の事故が起きないように廃炉の方向で進めて欲しいね。

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2件のフィードバック

  1. どこの国でも『これはヒトの手に負える代物ではない』って撤退した訳なのに、何故日本だけが続けるのか?
    あるいは、そのうち何とかなる(する)とか次の世代がどうにかしてくれるとか甘い認識でいるのでしょうか。危機管理もなされていない人間がどうやって次世代の人間に危機教育が出来るというのでしょうか・・・憂いの限りですなーー;;
    もんじゅに関してはこれくらいの知識しかありませんでしたが・・・(汗)

    昔核燃事業啓発アニメで『プルトニウムは飲んでも大丈夫』ってのがありましたが(今はネット上に徘徊しているらしいw)、今の時代ゾッとする話ですねTT

  2. 今回の地震と原発の事故で、避難区域に設定されて非難してる人の情報や映像をよく見るけど、もんじゅが同じくらいのダメージをくらったら、日本全域があんな状態になる。国内に逃げ場が無くなって海を渡って避難するしかない。
    海外では紛争などで難民とかあるけど、あれは陸続きだから逃げられるわけで、日本国民が全員難民になったらどうするんだろう。
    今回の地震だって誰も想像してなかっただろうし、「もしも・・・」ではもう済まされないよね。

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